●で結論先に言うと池袋の4K IMAXより、ドルビーシネマの方が全体のバランスが良かった。
冒頭の望遠撮影などで荒れた画面も、IMAXよりはスクリーンで引き延ばされないのも一因かもしれない。
そしてヤシ林を横切るヘリのローター移動も綺麗な円を劇場に感じた。
IMAXよりやや音量は絞られているが、位置関係の明瞭さはドルビーが上。
夜間シーンの官能的な艶と、ライトのフレアの美しさはドルビーシネマの威力発揮。
部屋が真っ暗になるため、壁の黒とほぼ地続きなリッチブラックの中に浮かび上がる映像は
コントラストが良くなっているIMAXでも、スクリーンの大きさや
部屋の照明などの関係もあり圧勝である。
楽しみだったカーツの砦での暗闇からの登場が驚いたのは
部屋の奥の暗闇と、カーツにかかる影の階調の差もしっかり感じられたこと。
これはカーツの心の闇を感じる仕上がり。
撮影の状況によって画質差があるのは仕方がないが
ウィラードの肌質感などは、3Dのような産毛から汗まで艶かしい
ストラーロらしい画面を堪能でした。
●音はナパームなどの重低音は、丸ピカの床の弱さが出て池袋IMAXよりは迫力不足と部屋鳴りがやや気になった。
位置関係などの明瞭さは完全にドルビーなのが、音のまとまった圧力はIMAX。特に池袋のは
パワーが上回っていた。ある意味本作のような作品には合っているのかもしれない。
静かなシーンも換気を強くしているためか、やや空調の音が気になったがこれは今は仕方がないか。
トラが登場するシーンなどはややこれが気になった。
●しかし映像の調整が良く、音も誇張しすぎず明瞭さが出ているせいか
3時間超える作品の鑑賞なのに全く疲れないのは驚いた。
もちろんドルビーシネマの快適な椅子などもあるのだが
目や耳、脳の余計な補完が必要ないからだろうか⁈
表現は飲兵衛の私の陳腐ではあるが、IMAXが冷えたビールを流し込む感覚なら
ドルビーシネマは運動後の点滴液のように染み入るスポーツドリンクのようだった。
ドルビーシネマは映画に集中するための最適な環境を目指したことも一つだが
これれを今回は特に実感できた。IMAXの迫力は捨てがたいものがあるが
あまり長尺の作品はIMAXには向かないのかもしれない。
●できれば同じ作品で、さいたまMOVIXのドルビーシネマや
新しく1から作り上げた横浜T-JOYのドルビーシネマでも見比べたい。
おそらく低音の迫力や、床材の強度などは丸の内ピカデリーより上だろう。
しかしさいたまは例のプロジェクターにかかる冷風の陽炎のような影問題。
横浜は席の両脇にある肘置きカップホルダーが、通常の映画館のように隣と共用なので
やや左右の余裕がないのがある。
IMAXもそうだが、なかなか完璧なシアターは難しいがこれは贅沢な悩みなのだろう。
by suzuki-ri
| 2020-07-02 09:16
| 映画
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