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日々雑感 4月17日 「八甲田山」4KリマスターBDが届いた。本作はやっぱりラブストーリだなぁと。

●「八甲田山」の4KリマスターのBlu-rayが届いた。いままであまり「画質」に恵まれなかった作品だったが
 今回のリマスターは概ね満足できる仕上がりだった。
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いつものボケボケ写真で申し訳ですが。
タイトル文字もくっきりしつつ、輪郭が太くなるような強調はされてなく
4Kリマスターの意味があったなぁと。
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惜しむらくはこのマスターなら4K UHDで出して欲しかった。
HDRでなくても良かったので。
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冒頭の東方のロコがジャジーや圧縮ノイズが出やすいのだがこれもとても綺麗で驚いた。
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特典映像で修復前と4Kマスタの比較など、製作過程のドキュメンタリーが収録。
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カメラマン(キャメラと言わないと怒られるかな?)の木村大作さん。
本作本編よりこの人の武勇伝の方が面白い…といったら怒られるが。
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本作は橋本プロの企画で、それに東宝が乗った形。
雪の中で兵隊が遭難するだけの映画には、多くの会社が当初乗り気ではなかったが
結果、オールスターキャストになり映画自体もヒットした。
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秋吉久美子さんも若い。他にも加賀まりこさんらも出演しているが
総じて女性の描写は少ない。
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本作の白眉だが、この健さんと欣也さんのシーンはもっとセリフがあったらしい。
ただ、この「八甲田で会いましょう」の設定を生かすため
欣也さんが健さんと会わないなどの役に入り込んだのもあり
健さんのセリフが出なかったのだという。ただあまりにその演技に引き込まれた為OKが出たのだとか。
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ここは一種奇妙な描写なのだが、あえて書けばこの2人のラブストーリーだということがわかる。
お花畑の中での軍人。訓練前の自宅訪問でのやりとり。その後の切磋琢磨する2つの隊。
「八甲田で会う為」というシンプルな願いの為に
白い地獄の中を突き進んだ結果なのだが、この欣也さんが本当に美しい。

撮影裏話では撮影のかなり前から棺に入ったりしていた欣也さん……。
そりゃ声も出なくなるわ。
この悲しさは会う事を熱望していた人が会えない物語で
「ひまわり」とかに通じるものが。

それをかき乱す三國連太郎の憎々しさよ。
彼もその後責任を感じ自殺するが、手が凍傷になっていた人が
ピストルをもって自殺できるかな……というのも陰謀論的にもりあがるポイント。

音楽は芥川也寸志さんの名曲だが、日本的ではあるものの
どこかヨーロッパ映画的なモダンさもあってこの悲恋(?)を盛り上げる。
日本人のDNAには芥川也寸志で泣くようにできている(??暴論)

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この遭難事故で生き残ったわずかな人で、緒形拳さんが出てくる。
ラストでロープウェイに乗り八甲田見るシーンはなんとも言えない切ない気持ちになってくる。
ただ実在の人は、手足に凍傷を追っているのでその後
戦地に行かずに済んだのだが、生き残った小隊はその後の日露戦争で……という
「陰謀論」も出てくるような理不尽としか言いようのない雪中訓練だ。

●リマスターされて、前には雪のシーンが青く黒ツブれしていたシーンも階調が豊かになり
 雪中のシーン以外の赤カブリが多かった場面も、自然な色合いになっている。
 昔持っていたDVDなどは黒も浮いていたが、綺麗なリッチブラックになっているので距離感・立体感も増している。

 ただ本作の撮影は映画そのものの過酷さであった為、望遠のシーンなどはピントが甘かったりするところもある。
 そこを抜き出せば「あまりいい画質ではない」という意見もあるかもしれないが
 撮影素材がそれなのでこれ以上は無理な事。スイッチのケーブルなども凍ってしまい
 吹雪な中大変な思いで撮影された作品で、役者の中には製作陣へのクレームや
 エキストラは脱走した人もいるという。

 日本ならではの無理な上の注文に、実直につきすすむ兵隊たちの悲劇でもあるのだが
 むかし本作は良く「成人の日」の放送されていたように思う。
 
 若い人たちに「今もこうなっているんじゃないですか?」と問いかける作品としては
 もってこいだと思うが、コメンタリーで春日太一さんなどの収録もあったらなお良かったのに…とも思う。


●完全に余談だが、昔ソフトバンクのCMでお父さん犬の声は欣也さんだが
 雪山の回では本作のスコアが使われていたので、不謹慎にも(?)笑ってしまったが。




Commented by TETU at 2019-04-18 10:39 x
本作は日本映画専門チャンネルで、リマスター前の作品と後の作品の両方を見てますが、以前のものが潰れがあまりに酷かった為か、リマスター版は別物になってますね。おそらくBDならば放送版よりさらに高画質になってると思われますが、ただ私はこの映画は悲壮感が漂い過ぎていて、個人的には何度も見返したいような作品ではないので、リマスター放送時のダビング保存は敢えてしませんでした。

私は映画は好き嫌いが激しいのですが、とりわけ戦争絡みの重苦しい映画は苦手です。今度UHDで出た「シンドラーのリスト」なども映画館では深く感動した傑作でしたが、ソフトではいくら高画質にレストアされていても、買ってまた観ようとは思わないんですね。けっきょく私がソフトをコレクションするか否かは、「何度も見たいかどうか」が判断基準になっています。画質にうるさい私ですが、それより内容の好みが優先するのは、まあ当たり前のことかもしれませんね。
Commented by suzuki-ri at 2019-04-18 11:56
TETUさん:本作は助かった部隊も、そのあとの日露戦争で全滅という
どっちに転んでも悲劇しかない作品ですが
日本の険しい風景に、芥川也寸志さんの音楽が乗ることで
叙情感が増しているのと、撮影裏話(主に木村大作さんですが)など含めて
好きな作品です。

私も好きな作品や傑作だと思うものでも、ソフト購入をためらうものがあります。
最近ではビグローの「デトロイト」がその1本ですが
半年か年に1回くらい見直して「やっぱり重いなぁ……」と気分が凹むというのを
繰り返しています(マゾなのか?)

逆に映画としては壊れているけれど、1シーンだけ見たい
この女優さんがでているから…で買ってしまうのも多々ありますが。
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by suzuki-ri | 2019-04-17 16:47 | DVD・ホームシアター | Comments(2)

リドリー・スコットを中心に映画やBlu-ray、ZZ-R(休み)などページです。 FBでリドリー・スコット作品の海外・国内で購入できるBlu-rayを沢山紹介した「Ridley Scott作品のBlu-ray」もやってます。


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