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CMに惑わされちゃダメだよ。 -ジャーヘッド-

なかなかCMとかTVでやらないなぁーと思っていたら
「思いっきり戦争映画」っぽい、本編とはちょっと違う感じの
CMでカックシ。でも映画はカックシしなかった佳作。

              ジャーヘッド

[戦争はまきこまれた全てを変える]
以前、このブログでも原作等を紹介したが
最初に書いてしまうと「自分は戦わなくても戦争は人を変える」事だ。
映画も原作通りに、戦場なのに「戦闘」をメインにはしていない。
圧倒的戦力で砂漠へ出向いた海兵隊の若者たち。
まるで日曜のボーイスカウトのような感じで。

「戦いに来ているのにライフルも撃てない」
ただ、出番を待つだけ。この退屈で
どうしようもない乾いた感じを観客にも味会わせる。
もし見ていて「早く戦闘シーンにならねぇかな…」なんて
思ったらまんまと監督サム・メンデスの意図にハマった事になる。

原作にもあったエピソードで「地獄の黙示録」を
兵士が見て大盛り上がりする場面。これはやっぱり笑ったのだが
「ビーチパーティしてサーフィンするために村全滅」なんて
見ている彼等には理想のファンタジーである。
実際は砂漠の中で、アメフトやったり
スターウォーズごっこで気を紛らわす男子校の昼休みのように。

故郷の彼女の事。自慰。じゃれごと、
恋人や妻の浮気(これはシャレにならない場面だったな)
何しに来たんだろう…という失望感。
戦場の怖さは自分の存在感、希望や個性が全て刈り取られる事。
戦死や負傷はもちろん恐ろしいが、自分が必要とされていないのでは?
という不安につぶされそうになり、現実逃避しかないのだ。


映像的には砂漠の背景に煙の柱が何本もたっている所を
歩く場面の素晴らしさ、友軍の呆気無いまでの誤爆など
サム・メンデスらしいシュールで美しい映像がある。
まるで悪い冗談のような。イギリス人らしい皮肉さである。
近代戦を扱いながら、しっかりリドリー・スコットとは違うアプローチで
「作った意味」がある作品に仕上げている。
(BHDで全体が戦闘というのをやったので
もうそういうのをやる意味が無くなった)


ジェイク・ギレインホールの顔は童顔なのに
体格はマッチョなのが、本当に小説で読んだイメージそのままで
素晴らしい。顔だけなら本当に子供そのものなのだ。
しかし身体だけ成長したような、アンバランスさが
若い海兵隊のシンボル的。

クリス・クーパーやジェイミー・フォックスもやっぱり上手い。
ジェイミーはポスト・サミエル・ジャクソンだ。



何かに挫折する事。こんなはずじゃなかったと思う事。
若い時必ず経験する事。その経験をしてきた物にとって
本作は見た目とは違った余韻をもたらせてくれる。

それにしてもブッシュ親子で2つの大きな戦争を
やったんだと思うとなんとも複雑な気分だ。



CMはまた「やっちまいやがった」と思う。
本作は先にも書いたが「戦闘映画」ではない。
今の日本で「アメリカの戦争を扱った映画」というだけで
批判や興行的に不利だが、本作はぜひ色眼鏡なしで
普通に若い人に見てほしい。
by suzuki-ri | 2006-02-09 09:45 | 映画 | Trackback(2) | Comments(0)
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Tracked from Rohi-ta_site.. at 2006-02-18 04:57
タイトル : ジャーヘッド
映画館で、出演:ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/ルーカス・ブラック/クリス・クーパー/ジェイミー・フォックス/原作:アンソニー・スオフォード/脚本:ウィリアム・D・ブロイルズ・Jr/監督:サム・メンデス/作品『ジャーヘッド』を観ました。 ●ストーリー 18歳になって祖父や父と同様に海兵隊へ入隊したスオフォード(ジェイク・ギレンホール)は、理不尽な新兵訓練を耐え抜き、カリフォルニア州のペンドルトン基地へ配属となった。 ここでも新入りのスオフォードは手洗い洗礼を受けるが......more
Tracked from よしなしごと at 2006-02-27 02:30
タイトル : 「ジャーヘッド」見てきました
↑前売り券のおまけのシリコンバンド 今年はテロや戦争を題材にしたノンフィクションが多いなぁ。その中でもイノセントボイスとホテルルワンダは僕にとっては最高の傑作でした。果たして今回見たジャーヘッドはどうでしょうか。...more
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