映画

久しぶりに「クリーピー 偽りの隣人」を見た。

●昨年に劇場で見て、帰るときは西島ファンと思しきお客さんが「お通夜状態」だった
 最悪で最高な黒沢清監督の「クリーピー 偽りの隣人」を久しぶりに見た。
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 話のガイドラインなどは端折って、個人的な再確認や感想などを書くが
 再見するとよりわかりやすいが、登場人物のほぼ全員が最初からおかしい…いや狂気が宿っている。
 香川照之の役が卑近で許しがたいキャラクターなのは当たり前なのだが
 主人公の西島秀俊・竹内結子もすでにおかしく、真夏に引っ越しの挨拶で手料理を
 吊るして帰るか…とかいちいちおかしい。すでにこの夫婦自体が壊れているのだが
 それを決定的にする起爆剤が香川照之だったっただけの事。

 画面も急に舞台劇のように照明が落ちたり、明らかなスクリーンプロセスを使ったり
 誰目線なドローンの空撮など、ある意味実録物みたいな「冷たい熱帯魚」「凶悪」とかとは
 違った黒沢美学のケレンも入っているので、そこにリアリティがないとか突っ込むのはヤボな仕上がりになっている。
 本作は東京の郊外にも、アメリカ南部みたいに「悪魔のいけにえ」みたいなものがあるよと描いているのだから。

 本作見た後原作も読んだがほぼ別物。完全に黒沢映画になっている。
 感覚で言うと高村薫原作の『マークスの山』を映画化したものに近いかも。
 (ちゃんとソフト出してよ……)
 そのくらい狂った面のみを力入れている。
 作品内容は、思い出すのも不愉快な「北九州・連続監禁殺人事件」だろうか。
 あの事件もルポで出ているが、それだけ普通に読んでも理解ができないくらい狂った状況だった。

 竹内結子は好きなのだが、最近の刑事物とかドラマの台詞回しが妙にクセが出てきて
 ちょっと作品を見るのは苦手だったのだが、本作は完全にイカれている役が合っている。
 香川照之とただならぬ関係になった直後と、終盤の電池切れしている演技は
 これが時代が時代でCMや事務所のNGさえなければ、だったらもっとエゲつなくなっただろう。
 
 本作はいろんな意味でテレビなどではできない作品だが、そういう毒をメジャー俳優でやってしまう黒沢清。素晴らしいなぁと。
 昔今はなき吉祥寺の小さい劇場(ホームシアター並み)で
 「地獄の警備員」を見て以来、その狂気の作劇&画面レイアウトにしびれるが
 メジャー作品では……のも続いたのでちょっと作品の好き嫌いが激しく出てしまった。
 でも本作で安心の狂気っぷりでまた次作が楽しみでしようがない。


   
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by suzuki-ri | 2017-03-07 10:30 | 映画 | Comments(0)

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