●昨年欧米で公開され、日本では2/7からとかなり待たされたが
先週末に先行上映があったので行ってきた。
このblogでも、英国からBlu-rayが届いたが、やっぱり劇場で見なければ!
劇場はさいたまMOVIXの10番スクリーン。ここでは3番目の大きさ。
6割くらいは埋まっていた。正直今の日本ではF1人気は微妙なので
もっとコケでしまうかな…とも思っていたが
見た次の回はもっと埋まっていたらしく安心。
実在する人物やレース内容なので、ネタバレ…せず話すのは
難しいが、それでもあまりストーリー展開の事などはせず
「個人的にここが良かった」などに終止します。
●まず撮影が素晴らしい。今までロン・ハワード監督の作品は
人間ドラマはいいんだけれど、外連がないというか
官能的映像美…とかをあまり感じなかったが
今回担当されたアンソニー・ドッド・マントルの撮影は
1970年代の映画のような階調が荒く輪郭も甘く一見見えるものの
ディテールの細かさはしっかり出すという
アンバランスな事をしっかり両立している。
ラース・フォン・トリアー作品も多く手掛け
ハリウッド的でなくヨーロッパがメインのF1的官能さを
恐ろしいカメラ台数で切り取っていて
それを見ているだけで嬉しい。
フェラーリの赤がしっかりツヤやかなのもいい。
クライマックスのスタートシーン。
タイヤの溝から垂直に上がる水柱と
俯瞰からスローでとらえたショットの繋がりは
卒倒するくらい素晴らしく、もう家ではBlu-rayで
ここを何度もリピートしている。
スコア担当のハンス・ジマーも、ソリッドなリズムに
最近あまり聞かせてくれなかった、男泣きのメロディを乗せ
同じレース映画「ディズ・オブ・サンダー」の
カラっとしたものとは別の、レースの重さと車自体の
繊細さを描き分けている。
●やや残念だったのは、レースの醍醐味である
コースの後略のエピソードがあまり無かった事だが
本作品はそれがメインテーマではないので
しようがないのかもしれない。
●主人公2人のドラマとしては、ニキ・ラウダの復活で
終わっていても十分に満足出来る作品だが
本作はその後に決勝が「富士スピードウェイ」という
日本人、特に70年代車に夢中になった男には
たまらないドラマを用意してくれる。
結果は分かっていても、2人がこれからの人生か
いやこの瞬間を生きるのかを選択し全うするドラマに涙する。
ここまでしっかり2人の方向性が描かれているから
両者の選択を観客がすんなり受け入れる事ができ共感出来る。
脚本のピーター・モーガンが紡ぎ出した
会話1つ1つが素晴らしい。
前半ヒッチハイクのシーンは粋な台詞の固まり。
ニキ・ラウダに運転してもらったファン2人のワクワク感は
思わずこちらも嬉しくなってくる。
●まだ2014年になって1月しかたっていないが
個人的には本作・暫定1位だ。それだけ個人的に
刺さってくるものが多く、映像とドラマ、演技など
トータルな意味で深い満足感を得られた。
さいたまMOVIX10番スクリーンは
正直高音が伸び切らず、音量的にも箱の大きさの割には…だったが
これは最近IMAXヤドルビーアトモスでの鑑賞に
慣れてしまっていたからかもしれないが
それでももうちょっと高音は欲しかった。
自宅でBlu-ray再生の時にはもう少し伸びしろがあったように思う。
多分また2.3度劇場に行くと思うので
なにか変化があったときは書くと思う。
先週末に先行上映があったので行ってきた。
このblogでも、英国からBlu-rayが届いたが、やっぱり劇場で見なければ!
劇場はさいたまMOVIXの10番スクリーン。ここでは3番目の大きさ。
6割くらいは埋まっていた。正直今の日本ではF1人気は微妙なので
もっとコケでしまうかな…とも思っていたが
見た次の回はもっと埋まっていたらしく安心。
実在する人物やレース内容なので、ネタバレ…せず話すのは
難しいが、それでもあまりストーリー展開の事などはせず
「個人的にここが良かった」などに終止します。
●まず撮影が素晴らしい。今までロン・ハワード監督の作品は
人間ドラマはいいんだけれど、外連がないというか
官能的映像美…とかをあまり感じなかったが
今回担当されたアンソニー・ドッド・マントルの撮影は
1970年代の映画のような階調が荒く輪郭も甘く一見見えるものの
ディテールの細かさはしっかり出すという
アンバランスな事をしっかり両立している。
ラース・フォン・トリアー作品も多く手掛け
ハリウッド的でなくヨーロッパがメインのF1的官能さを
恐ろしいカメラ台数で切り取っていて
それを見ているだけで嬉しい。
フェラーリの赤がしっかりツヤやかなのもいい。
クライマックスのスタートシーン。
タイヤの溝から垂直に上がる水柱と
俯瞰からスローでとらえたショットの繋がりは
卒倒するくらい素晴らしく、もう家ではBlu-rayで
ここを何度もリピートしている。
スコア担当のハンス・ジマーも、ソリッドなリズムに
最近あまり聞かせてくれなかった、男泣きのメロディを乗せ
同じレース映画「ディズ・オブ・サンダー」の
カラっとしたものとは別の、レースの重さと車自体の
繊細さを描き分けている。
●やや残念だったのは、レースの醍醐味である
コースの後略のエピソードがあまり無かった事だが
本作品はそれがメインテーマではないので
しようがないのかもしれない。
●主人公2人のドラマとしては、ニキ・ラウダの復活で
終わっていても十分に満足出来る作品だが
本作はその後に決勝が「富士スピードウェイ」という
日本人、特に70年代車に夢中になった男には
たまらないドラマを用意してくれる。
結果は分かっていても、2人がこれからの人生か
いやこの瞬間を生きるのかを選択し全うするドラマに涙する。
ここまでしっかり2人の方向性が描かれているから
両者の選択を観客がすんなり受け入れる事ができ共感出来る。
脚本のピーター・モーガンが紡ぎ出した
会話1つ1つが素晴らしい。
前半ヒッチハイクのシーンは粋な台詞の固まり。
ニキ・ラウダに運転してもらったファン2人のワクワク感は
思わずこちらも嬉しくなってくる。
●まだ2014年になって1月しかたっていないが
個人的には本作・暫定1位だ。それだけ個人的に
刺さってくるものが多く、映像とドラマ、演技など
トータルな意味で深い満足感を得られた。
さいたまMOVIX10番スクリーンは
正直高音が伸び切らず、音量的にも箱の大きさの割には…だったが
これは最近IMAXヤドルビーアトモスでの鑑賞に
慣れてしまっていたからかもしれないが
それでももうちょっと高音は欲しかった。
自宅でBlu-ray再生の時にはもう少し伸びしろがあったように思う。
多分また2.3度劇場に行くと思うので
なにか変化があったときは書くと思う。
Commented
by
TETU
at 2014-02-05 15:56
x
「ラッシュ」のBDの画角は16:9ですか?スクリーンが大きくなったので、最近はできれば画面いっぱいのビスタで観たいのですが(笑)。
(あのビスタ画面の「ゼロダークサーティ」、「パシフィックリム」の超高画質にはたまげました!)
一時はBDに対して半ば諦めたような気分になったこともありましたが、何だか最近映画を観る前のドキドキ感が久しぶりに蘇ってきたような気がします。やはり映画を見る為のデバイス(道具)も大事なんだと認識を新たにしています。
(あのビスタ画面の「ゼロダークサーティ」、「パシフィックリム」の超高画質にはたまげました!)
一時はBDに対して半ば諦めたような気分になったこともありましたが、何だか最近映画を観る前のドキドキ感が久しぶりに蘇ってきたような気がします。やはり映画を見る為のデバイス(道具)も大事なんだと認識を新たにしています。
0
TETUさん:ラッシュはシネスコサイズなので
上下に黒帯入りです。でも、凝ったカメラワークのおかげで
レースシーンはヘタな3Dより立体感あります。
「ゼロダークサーティ」のクォリティは凄いですね。
終盤の漆黒の闇に浮かび上がる、不気味なヘリと
タスケンレイダーみたいなシールズたち…。
4Kプロジェクターで見たらさぞかし…だと思います。
再生機器が変わると、メディアの潜在的な
能力を自分で引き出しているように思え
好きな映画はより深く、そうでもなかったものも
再発見がありそうです。
あぁウチも4K…。
上下に黒帯入りです。でも、凝ったカメラワークのおかげで
レースシーンはヘタな3Dより立体感あります。
「ゼロダークサーティ」のクォリティは凄いですね。
終盤の漆黒の闇に浮かび上がる、不気味なヘリと
タスケンレイダーみたいなシールズたち…。
4Kプロジェクターで見たらさぞかし…だと思います。
再生機器が変わると、メディアの潜在的な
能力を自分で引き出しているように思え
好きな映画はより深く、そうでもなかったものも
再発見がありそうです。
あぁウチも4K…。
by suzuki-ri
| 2014-02-05 11:09
| 映画
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Comments(2)